・ベランダの手すりや水切りに、茶色いサビが出てきた
・外壁に、サビの汁のような茶色い筋が流れている
・小さいサビだけど、このまま放置して大丈夫?
そう感じて、このページにたどり着いた方も多いのではないでしょうか。実はそれ、塗膜(塗料が乾いてできた膜)が金属を守れなくなったサインかもしれません。ただし、外壁まわりのサビには、よそから付いただけの「もらいサビ」も混ざっています。
この記事では、
①どこのサビか
②よそから付いたサビか、金属そのもののサビか
③自分で手を出してよいか、
をわかりやすく解説します。
※サビの見つけ方と、軽度・中度・重度の判定について詳しく知りたい方は外壁の劣化セルフチェックの「サイン7:サビ」を参考にしてください。この記事は、その判定の先を詳しく解説したものです。
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【早見表】そのサビ、自分で落としてよいサビですか?

外壁まわりのサビは、大きく2つに分かれます。よそから来た鉄の粉などが表面に付いた「もらいサビ」と、金属の部品そのものがサビている「本体のサビ」です。もらいサビは掃除で落ちることがあり、本体のサビは塗り直しが必要になります。どちらに近いかは、次の4つの見どころで目安をつけられます。
4つの見どころで見分ける(下の素材・こすって落ちるか・膨れや穴・汁の筋)
そのサビ、自分で落としてよい? 見分けの目安
| 見どころ | ご自身で掃除を試せる目安 | 点検を頼む目安 | 早めに相談の目安 |
|---|---|---|---|
| 下の素材 | 金属ではない壁 | 金属の部品・外壁 | — |
| こすると | 水拭きで薄くなる | 落ちない | — |
| 膨れ・はがれ・穴 | なし | 膨れ・はがれ | 穴・へこみ |
| 汁の筋 | なし | 茶色い筋がある | — |
当てはまる中で、一番右の列を目安に
2階・高い所は、自分で触らない
表の4つの見どころは、次のように見てください。
- 下の素材:サイディングやモルタルなど、金属ではない壁の表面に点々と付いているなら、もらいサビの可能性が高いと言えます。手すり・水切り・釘やビスの頭など、金属の部品そのものから出ているなら、本体のサビの可能性が高くなります
- こすると:濡らした布で水拭きして色が薄くなるなら、表面に付いているだけの可能性があります。落ちない、拭いても同じ場所の下から茶色が出てくるなら、金属そのものがサビていると考えられます。こするときは力を入れず、目立たない場所から試してください(硬いブラシや金属たわしを使わない理由は「自分でやってよいこと・やめた方がよいこと」の章で説明します)
- 膨れ・はがれ・穴:塗装が膨れている、パリパリはがれる場合は、塗膜の下でサビが進んでいるサインです。穴があいている、押すとへこむ場合は、金属が薄くなっています
- 汁の筋:茶色い筋が流れていて、その上に金属の部品やビスの頭があるなら、そこがサビの元です
※当てはまる数で決まるものではありません。1つでも右寄りの列に当てはまれば、そちらを優先してください。外から見ただけでは判断できないこともあります。
見分けた後の行動(ご自身で掃除を試せる/点検を頼む/早めに相談)
- ご自身で掃除を試せる目安だけに当てはまる:地面に立って手が届く場所なら、水拭き・薄めた中性洗剤での掃除まではご自身でどうぞ。手順は「自分でやってよいこと」の章にまとめています
- 点検を頼む目安に1つでも当てはまる/2階など手が届かない/どちらか分からない:一度プロの点検で、サビの元と広がりを確かめてください
- 早めに相談の目安(穴・へこみ)に当てはまる:塗装だけでは直せない段階に入っている可能性があります。早めにご相談ください
掃除で一度落ちても、同じ場所にまた出てくる場合は、近くにサビの元があると考えられます。そのときは点検をおすすめします。
本体のサビだと分かった場合の程度の見方(軽度・中度・重度)は、セルフチェック記事のサイン7をご覧ください。
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よそから付いたサビ(もらいサビ)と、金属そのもののサビの違い

違いは、サビがどこにいるかです。もらいサビは塗膜の上に乗っていて、金属そのもののサビは塗膜の下から広がります。早見表で「こすると落ちるか」を見るのは、このためです。
もらいサビは、鉄の粉や釘のサビが表面に付いたものです
もらいサビについて、日本サッシ協会は次のように説明しています。
「もらいさびとは、たとえば、鉄くぎのさびがステンレスの表面に付着したり、ステンレス表面に付着した土埃の中の微細な鉄粉がさびてこびりついたりすることであり、あたかもステンレス自身がさびたように見える現象です。」
(出典:日本サッシ協会「ステンレスのさび」 2026年10月23日閲覧)
協会の説明はステンレスについてのものですが、サビていないものの上に、よそのサビが乗っているという仕組みは外壁でも同じと考えられます。近くの鉄製品のサビが雨で流れてきたり、空気中の鉄の粉が付いたりして起こります。
同協会は、もらいさびについて「これが進行するとステンレス自身がさびてしまうこともあります」とも書いています。また、アルミのバルコニーについて、LIXILの取扱説明書は、保証期間内でも有料修理となる例として、環境が特に悪い場所で「大気中の砂塵・煤煙・金属粉」などが付着して起きる腐食を挙げています(出典:LIXIL バルコニー取扱い説明書 MAM-58C 2026年10月23日閲覧)。付いたものを長く放っておくと、素材そのものを傷める原因になり得ると考えられます。
なお、同協会は、なかなか落ちない場合はステンレス自身にさびが出ている可能性がある、とも書いています。「落ちない=もらいサビではないかもしれない」という見方は、早見表の「こすると」の行と同じです。
金属そのもののサビは、塗膜が切れたところから進みます
鉄は、水と空気にふれるとサビます。外壁まわりの鉄の部品は、塗膜で水と空気から守られています。
塗膜が古くなって細かいひびが入ったり、物が当たって傷が付いたりすると、そこから水が入り、金属そのものがサビ始めます。このサビは塗膜の下で横に広がっていくため、表面に見えている範囲より、実際の範囲が広いこともあります。水と空気にふれ続ける限り、自然に止まることは期待できません。
家の外まわりでサビやすい場所はここです【部位マップ】

外壁まわりの金属の部品は、思っているより多くあります。共通しているのは、水が集まる・水が残る・塗膜が切れやすいの3つです。どの部品がどの素材かは家によって違うため、ここでは「見ておきたいところ」としてお読みください。図の①〜⑨は、下の見出しの順番に対応しています。
水切り(外壁の一番下の端にある金属の板)
(図の①)水切りは、外壁と基礎の境目に付いている細長い金属の板です。壁を伝ってきた雨水を、外へ落とす役目があります。
壁を流れた水が最後に集まる場所で、地面からの泥はねも受けます。下側の縁、板と板のつなぎ目、切り口を見てください。水切りの奥は外壁の内側につながっているため、ここが傷むと、水が中へ回り込むことがあります。
換気フード・雨どいの金具・シャッターボックス
(図の②③④)
- 換気フード(換気扇の外側のカバー):鉄製のものは、塗装が切れたところからサビます。ステンレス製のものに点々と付いたサビは、もらいサビの可能性もあります(どちらかは点検で確かめます)
- 雨どいの金具(雨どいを壁や軒に留める金具):いつも水がかかる場所です。金具のサビが雨で流れ、外壁に茶色い筋を作ることがあります
- シャッターボックス(シャッターを巻き取って収める箱):上の面に雨水やホコリがたまりやすく、そこからサビが出ることがあります
ベランダの手すり(アルミと鉄で注意点が違う)
(図の⑤)ベランダの手すりは、素材によって見方が変わります。手が届く範囲で磁石をそっと当てて、付く場合は鉄(めっきや塗装をした鉄を含む)の可能性があります。ただし、ステンレスにも磁石が付く種類があるため、確実ではありません。付かない場合は、アルミや、磁石が付きにくい種類のステンレスの可能性があります。2階のベランダでは、身を乗り出さずに内側から届く範囲にとどめてください。
- 鉄の手すり:塗装で守られています。根元、つなぎ目、溶接した部分、水が残る横の棒の上面から塗装が切れ、サビが出やすくなります。塗り直しの時期が来る部品です
- アルミの手すり:もともとサビにくい素材ですが、汚れを放っておくと腐食します。LIXILの取扱説明書は、次のように書いています
「アルミは比較的腐食しにくい材質ですが、砂・ホコリ・塩分などが付いたまま長い間放置しておくと、空気中の湿気や雨水の影響を受け、腐食の原因になります。清掃の目安は、少なくとも年に1~2回程度です」
(出典:LIXIL バルコニー取扱い説明書 MAM-58C 2026年10月23日閲覧)
同じ説明書では、ねじやボルトを締め直してもガタつく場合は「腐食していることがあります」とも書かれています。手すりがぐらつく場合は、見た目に関係なく点検を受けてください。 ぐらつく手すりには、寄りかからないでください。
手すりに付く「白い粉」については、次の章の「白サビ」と、よくある質問で説明します。
鉄骨の階段・庇
(図の⑥⑦)鉄骨の階段は、踏む板の裏側、段の端、柱と板をつないでいる部分に水が残りやすく、サビが出やすい場所です。玄関や窓の上の金属製の庇(小さな屋根)は、上の面に雨水や落ち葉がたまります。どちらも上からは見えにくいので、下から見上げて茶色い筋がないかを確かめてください。
釘やビスの頭(窯業系サイディング)
(図の⑧)窯業系サイディング(セメントを主な原料にした板状の外壁材)は、釘やビスで留めています。その頭の部分は塗膜が薄くなりやすく、小さな点のサビと、その下に短い茶色の筋が出ることがあります。
点々が一定の間隔で縦や横に並んでいるなら、もらいサビではなく、釘やビスの頭のサビの可能性があります。
金属の外壁(ガルバリウム鋼板・トタン)の切り口・つなぎ目
(図の⑨)ガルバリウム鋼板はアルミと亜鉛でめっきした鋼板、トタンは亜鉛でめっきした鋼板です。どちらも、めっきで鉄を守る仕組みです。
弱いのは、板を切った切り口(断面にはめっきがありません)、板と板のつなぎ目、ビスのまわりです。ガルバリウム鋼板はサビにくい素材として知られていますが、サビないわけではありません。違う種類の金属のビスを使うとサビが進むことがある点は、「サビが出る原因」の章で説明します。
サビの色で分かること

赤サビ(鉄のサビ。進むと穴があく)
赤茶色のサビは、鉄がサビたものです。外壁まわりで見かけるサビの多くは、この赤サビです。
表面だけのうちは削り落として塗り直せますが、進むと鉄そのものが薄くなり、最後は穴があきます。穴があくと、塗装では直せません。
白サビ(素材によって意味が違う)
白いサビは、どの素材に出たかで意味が変わります。「白サビは悪いサビ」と書かれた記事もありますが、一律には言えません。
鉄に亜鉛のめっきをした部品(溶融亜鉛めっき)の白サビについて、日建連(日本建設業連合会)の資料は次のように説明しています。
「白さびによる溶融亜鉛めっき皮膜の消耗はわずかで、耐食性にほとんど影響はありません」
(出典:日建連 鉄骨専門部会「鉄骨工事Q&A A-7-17 溶融亜鉛めっき 白さび」 2026年10月23日閲覧)
同じ資料は、水がたまって乾きにくい場所や、雨水・結露・湿気にさらされる場所で出やすく、その環境から離れると次第に消えていく、とも書いています。この資料によると、白さびは、めっきしてまだ新しく銀色の光沢がある状態のときに出やすいとされています。
ただし、これは溶融亜鉛めっきの話です。ガルバリウム鋼板やアルミの手すりに出る白い粉に、そのまま当てはまるかは確かめられていません。また、塗装した手すりの白い粉は、サビではなく、古くなった塗膜が粉になったもの(チョーキング)の可能性もあります。
白い粉を見つけたら、「安全」とも「危険」とも決めつけず、どの素材かを点検で確かめるのが確実です。
茶色い汁の筋(錆汁)は、上にサビの元があります
外壁に流れる茶色い筋は、サビが雨に溶けて流れた跡で、「錆汁(さびじる)」と呼ばれます。筋そのものは汚れですが、サビの筋なら、その上のどこかに元になっている金属があります。
筋をたどって上を見てください。雨どいの金具、手すりの根元、釘やビスの頭、換気フードなど、元になっている金属が見つかることが多いです。筋だけを洗っても、元が残っていれば同じ場所にまた出ます。
筋の色が茶色ではなく黒っぽい場合は、サビではなく雨だれ(ホコリや排気ガスの汚れ)の可能性があります。見分け方は外壁の雨だれ・雨染みの記事で解説しています。
サビが出る原因

塗膜が古くなり、金属を守れなくなった
一番多い原因です。塗膜は紫外線や雨風で少しずつ傷み、細かいひびや薄い所ができます。そこから水が入り、金属がサビ始めます。外壁より先に、手すりや水切りなどの金属の部品からサビが出ることはよくあります。
水がたまる・乾きにくい形になっている
横向きの面、くぼみ、部品のつなぎ目、北側の日が当たらない面など、水が残る時間が長い場所ほどサビやすくなります。部位マップに挙げた場所の多くは、この形をしています。
よそからサビが付いた(もらいサビ)
近くの鉄製品のサビや鉄の粉が付いたものです。詳しくは「もらいサビと、金属そのもののサビの違い」の章をご覧ください。
違う金属どうしの組み合わせ(ステンレスのビスなど)
あまり知られていませんが、違う種類の金属をくっつけて使うと、片方のサビが進むことがあります。日建連の資料は次のように書いています。
「溶融亜鉛めっき鋼材をステンレスボルトで締め付けると異種金属接触腐食による不具合が発生する可能性があります」
(出典:日建連 鉄骨専門部会「鉄骨工事Q&A A-7-12 異種金属接触腐食」 2026年10月23日閲覧)
同じ資料は、アルミや、めっきをしていない鋼板でも同じことが起こり得るとし、対策として①同じ材料を使う ②塗装で絶縁する ③樹脂材料で絶縁する、の3つを挙げています。
めっきした鋼材などでは、「サビにくいからステンレスのビスに替えた」ことが、かえってまわりのサビを進めることもあり得ます。ビスや金具をご自身で交換するのは控え、素材の組み合わせは点検で確かめてください。
前回の塗装でサビ落としを省いた
サビを落とさずに上から塗ると、塗膜の下でサビが進み続け、早いうちに再発することがあります。国の仕様書(橋の塗装の規定)でも、サビ落としを終えたら、その状態を確認したうえで下塗りをするよう定めています。塗り替えから年数がたっていないのに同じ場所からサビが出ている場合は、この原因も考えられます。
柏市周辺では、塩害より先に疑いたい原因があります
海岸の近くでは、空気中の塩分でサビが進みやすいとされています(日建連の白さびの資料も、発生しやすい条件に海岸地帯を挙げています)。柏市は、東京湾の海岸線から直線でおよそ十数km以上離れています(地図上の概算)。そのため、柏市周辺でサビを見つけたときは、まず塗膜の劣化・水のたまりやすさ・もらいサビを確かめるのが現実的です。海からどのくらい離れれば影響がないかという公的な目安は、確認できていません。
ただし、塩分や汚れの影響がないとは言えません。LIXILの取扱説明書は、海岸地域に加えて交通量の多い道路沿いも、塩分や排気ガスで汚れが進みやすいとしています。立地の影響は、家ごとに見て判断します。
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サビを放置するとどうなる?

広がる → 穴があく → 交換・張り替えになり費用が上がる
金属のサビは、放っておくと次の順に進みます。進む速さは、場所や環境によって違います。
- 塗膜が守っている:塗膜が金属を水と空気から守っている状態
- 傷から点のサビ:塗膜の傷や切れ目から、点のサビが出る。削って塗り直せる段階
- 膨れ・はがれ:塗膜の下でサビが広がり、塗膜が膨れたり、はがれたりする。削る範囲と手間が増える
- 金属がやせて穴に:金属が薄くなり、穴があく。塗装では直せず、部品の交換や張り替えが必要になる
塗装で直せる段階を過ぎると、工事の内容が変わり、費用も大きくなります。小さいうちに手当てするほど、工事は小さく済みます。
塗膜を内側から押し上げて、膨れ・はがれになる
サビは、元の鉄より体積が大きくなります。そのため塗膜の下でサビが進むと、塗膜を内側から押し上げて、膨れやはがれを起こします。
塗膜の膨れ・はがれの原因と直し方は、外壁の塗膜の剥がれ・膨れの記事で詳しく解説しています。
自分でやってよいこと・やめた方がよいこと

やってよいこと:手の届く場所の水拭き・薄めた中性洗剤
ご自身でできるのは、地面に立ったまま手が届く場所の掃除までです。
✓ やってよいことのチェックリスト
- ✓ 地面に立って、手が届く高さだけを掃除する
- ✓ 汚れが軽ければ水拭き → からぶき
- ✓ 汚れがひどければ、薄めた中性洗剤をやわらかい布やスポンジで(使った後は水で流す)
- ✓ アルミの手すりは、少なくとも年に1〜2回は掃除する
- ✓ 掃除の前後に写真を撮っておく(点検のときに役立ちます)
水拭き・からぶき・薄めた中性洗剤という手順と、年1〜2回の清掃の目安は、前述のLIXILのバルコニー取扱説明書に書かれているお手入れの方法です。お使いの製品によって注意事項が違う場合があるので、取扱説明書もあわせて確認してください。
やめた方がよいこと:削る・塗る/2階・高所は触らない
✕ やめた方がよいこと
- 紙やすり・金属たわし・クレンザーで削る:日本サッシ協会は、ステンレスのもらいサビをクレンザーなどで落とすと「こすり傷がつくことは避けられません」としています。塗装した面では、傷から塗膜が切れ、新しいサビの入り口になることがあります
- 市販の錆止めや塗料を上から塗る:サビや傷んだ塗膜が残ったまま塗ると、塗膜の下でサビが進み、早いうちに再発することがあります
- 市販のサビ取り剤(酸性のものなど)を使う:LIXILの取扱説明書は、アルミの手すりに酸性・アルカリ性・塩素系の薬品や、金属製のブラシ・金ベラを使わないよう案内しています
- ビスや金具を自分で交換する:違う種類の金属を組み合わせると、サビが進むことがあります
- 2階・高所を触る:屋根やベランダの手すりに登らない、脚立やはしごに乗って高い所をのぞき込まない、板金を手で引っぱったり押し込んだりしない
高い所のサビは、地上からスマホのズームで撮るだけで十分です。安全な見方はセルフチェック記事の「チェックの前に:安全な見方」で紹介しています。
業者の直し方は「サビ落とし→錆止め→上塗り」の3段階

業者がサビを直すときは、サビを落とす → 錆止め(サビを防ぐ下塗り用の塗料)を塗る → 上塗りで仕上げる、の3段階で進めます。どれか1つでも欠けると、サビは戻ってきやすくなります。
サビ落とし(ケレン)は、サビの量で削り方が変わります【国の仕様書の表】
サビや古い塗膜を削り落とす作業をケレンといいます。どこまで削るかは、サビの量で変わります。
国土交通省の「土木工事共通仕様書」には、その分け方が表で示されています。これは橋の塗り替えについての規定で、住宅向けの決まりではありません。 ただ、住宅の鉄部でも、サビの量によって削り方を変える点は共通するため、参考としてご紹介します(住宅で何種のケレンを行うかについて、公的な決まりはありません)。
表10-14-2 素地調整程度と作業内容
| 素地調整程度 | さび面積 | 塗膜異常面積 | 作業内容 | 作業方法 |
|---|---|---|---|---|
| 1種 | - | - | さび、旧塗膜を完全に除去し鋼材面を露出させる。 | ブラスト法 |
| 2種 | 30%以上 | - | 旧塗膜、さびを除去し鋼材面を露出させる。(以下略) | ディスクサンダー、ワイヤホイルなどの電動工具と手工具との併用 |
| 3種A | 15~30% | 30%以上 | 活膜は残すが、それ以外の不良部(さび、割れ、ふくれ)は除去する。 | 同上 |
| 3種B | 5~15% | 15~30% | 同上 | 同上 |
| 3種C | 5%以下 | 5~15% | 同上 | 同上 |
| 4種 | - | 5%以下 | 粉化物、汚れなどを除去する。 | 同上 |
(出典:国土交通省「土木工事共通仕様書」第10編第14章第17節 10-14-17-3 橋梁塗装工 表10-14-2 2026年10月23日閲覧。※2種の作業内容の後半には、古い塗膜の種類による例外の規定があり、当社で省略しています(橋の古い塗装の種類による例外の規定です))
言い換えると、次のようになります。
- 1種:サビも古い塗膜も全部落とし、金属をむき出しにする(砂などを吹き付ける機械で行う)
- 2種:サビが3割以上。サビと古い塗膜を落として金属を出す(電動工具と手工具で行う)
- 3種(A・B・C):傷んでいない塗膜(活膜)は残し、サビ・割れ・膨れの部分だけを落とす。サビの量でA・B・Cに分かれる
- 4種:サビはほぼなく、粉や汚れを落とす
見積書に「3種ケレン」などと書かれていたら、この表のどれに近い作業か、なぜその削り方なのかを聞いてみてください。理由をきちんと説明してもらえるかどうかは、業者を選ぶときの判断材料の一つになります。
錆止め塗料の種類(エポキシ系など・水性と弱溶剤・1液と2液)
錆止め塗料は、サビを落とした金属に最初に塗る下塗り用の塗料です。大きく、次の3つの分け方があります。
| 分け方 | 種類 | 違い |
|---|---|---|
| 樹脂の種類 | エポキシ樹脂系(変性エポキシを含む)など | 塗料メーカーの鉄部用さび止め塗料の一覧でも、エポキシ樹脂系の製品が並んでいます |
| 薄める液 | 水性/弱溶剤 | 水性は水で薄めるタイプ。弱溶剤は塗料用の溶剤(シンナー)で薄めるタイプで、水性に比べてにおいが出やすい傾向があります |
| 混ぜ方 | 1液/2液 | 1液はそのまま使うタイプ。2液は使う直前に主剤と硬化剤を混ぜるタイプです |
(参考:エスケー化研「鉄部用塗料」 掲載の製品はいずれもエポキシ樹脂系/2026年10月23日閲覧)
どれを使うかは、素材、場所、今塗られている塗料との相性で選びます。「どれが一番長持ちか」は、製品の条件や環境で変わるため、一律には言えません。 気になる場合は、見積もりのときに「どの種類の錆止めを、なぜ使うか」を聞いてみてください。なお、錆止め塗料には「JIS K 5551(構造物用さび止めペイント)」などの日本産業規格(JIS)もあります。
上塗りまで重ねて、初めてサビを防げます
錆止めは下塗り用の塗料で、仕上げの役目は上塗りが担います。上塗りで覆うことで、錆止めの層を雨や日光から守り、見た目も整えます。
錆止めを塗っただけで終わらせず、上塗りまで重ねて、初めて金属を守る塗膜になります。見積書では、上塗りを何回塗るかも確認しておきましょう。
交換・カバーが必要になるケース(穴あき・板金の変形)
次のような状態は、塗装だけでは直せないことが多いです。
- 穴があいている
- 押すとへこむ、板金が薄くなっている
- 板金が変形している、浮いている
- 手すりの根元がぐらつく
この場合は、部品の交換や、上から新しい板金をかぶせるカバーを検討します。どこまで交換が必要かは、現地で確かめて判断します。
費用の考え方と、見積書で見るところ

費用は「場所・サビの量・足場の有無」で決まります
サビの補修の費用は、主に次の3つで決まります。
- 場所:手すり、水切り、階段など、どの部品か。部品の大きさと数
- サビの量:点のサビか、広がっているか、穴があいているか。量が多いほど削る手間が増え、交換が必要になることもあります
- 足場の有無:地上から手が届くか、2階で足場が必要か
ネット上の記事では、同じ作業でも1㎡あたりの金額が記事ごとに大きく違い、前提が書かれていないことも少なくありません。金額だけを比べるより、どの部品を、どの削り方で、何回塗るのかを見積書で確かめるほうが、確かな判断につながります。
外壁の塗り替えを近いうちに考えている場合は、鉄部も同時に直すと、足場を一度で済ませられます。
見積書に「ケレン」「錆止め(下塗り)」が入っているか確認しましょう
✓ 見積書のチェックリスト
- 鉄部(手すり・水切りなど)の項目に「ケレン」または「素地調整」が入っているか
- 「錆止め」または「下塗り」が入っているか
- 上塗りの回数が書いてあるか
- どの部品が入っているか(手すり・水切り・換気フード・雨どいの金具・シャッターボックス・階段など)
- 交換が必要な部品は、塗装とは別に書いてあるか
- どこにどんなサビがあるか、写真で説明してもらえたか
ファイトワークの料金ページでも、「金属部の錆止め処理」について「下地処理を手を抜く業者もありますが、ここが仕上がりと耐久性を大きく左右します。当社では必ず施工に含めています」とお伝えしています。詳しくは料金についてをご覧ください。
🎁 他社の見積書の見方が分からない方も、お気軽にご相談ください。無料点検・無料見積り受付中。
よくある質問(FAQ)

サビの上から塗装してもいいですか?
サビを落とさずに上から塗ることは、おすすめしません。塗膜の下でサビが進み続け、早いうちに膨れやはがれとして戻ってくることがあります。国の仕様書(橋の塗装の規定)でも、サビ落としの状態を確認したうえで下塗りをするよう定めています。
サビの上から塗れる塗料はありますか?
大切なのは、塗料の種類より「塗る前にどこまで落とすか」です。国の仕様書の表でも、3種のケレンは傷んでいない塗膜を残し、サビ・割れ・膨れの部分を落とす作業とされています。つまり、すべてを落としきらなくてよい場合はありますが、浮いたサビの上にそのまま塗ってよいという意味ではありません。どこまで落とすかは、サビの量を見て決めます。
外壁の錆汁(茶色い筋)の原因は何ですか?
筋の上にある金属のサビが、雨に溶けて流れたものです。雨どいの金具、手すりの根元、釘やビスの頭、換気フードなどが元になることが多いです。筋を洗っても、元のサビを直さなければ同じ場所にまた出ます。黒っぽい筋なら、雨だれ(汚れ)の可能性があります。
サビの部分だけ直してもらえますか?
サビの出た部分だけの補修も、まずはご相談ください。場所や状態によって、部分的な補修で対応できるか、まとめて行うほうがよいかが変わります。ただし、2階など足場が必要な場所は、足場の費用がかかります。外壁の塗り替えを近いうちに考えている場合は、まとめて行うほうが足場を一度で済ませられます。どちらがよいかは、点検の結果をもとにご説明します。
ベランダの手すりに白い粉が付いています。サビですか?
素材によって答えが変わります。溶融亜鉛めっき(溶かした亜鉛に鉄を浸けてめっきしたもの)の白さびについては、日建連(日本建設業連合会)の鉄骨工事Q&Aで「耐食性にほとんど影響はありません」とされています。ただし、これは溶融亜鉛めっきについての説明で、お宅の手すりがその素材かどうかは見た目だけでは分かりません。アルミの手すりでは汚れの放置が腐食の原因になるとメーカーが案内しており、塗装した手すりなら古い塗膜が粉になったもの(チョーキング)の可能性もあります。見た目だけで決めつけず、素材を点検で確かめるのが確実です。
外壁・鉄部のサビでお困りなら、ファイトワークへ

ファイトワークは、自社施工で外壁塗装と屋根塗装に対応しています。
- 一級塗装技能士が在籍しています:塗装の国家資格です。サビの見分けから直し方まで、現場の経験にもとづいて判断します
- 自社施工:下請け任せにせず、責任を持って施工します
- 鉄部を塗装する工事では、下地処理(サビ落とし・錆止め)を必ず施工に含めています:見えなくなる工程こそ省きません
- 保証・アフターフォロー:施工後もお付き合いが続きます
表面に付いただけのサビなら、工事はいりません。 点検の結果そう判断したときは、そのままお伝えします。
「このサビ、自分で落としていいのか分からない」と思ったら、まずは写真を1枚送ってください。柏市を中心に対応しています。
※この記事は、外壁・鉄部のサビについての一般的な情報をまとめたものです。個別の建物の状態を診断するものではありません。記事中の見分け方は目安で、素材や建物の状態によって当てはまらない場合があります。実際の判断は、現地での確認を前提としてください。記事作成時点(2026年10月)の情報です。
※国土交通省の表は橋の塗装についての規定で、住宅の工事に適用される公的な基準ではありません。